『次に来る自然災害 地震・噴火・異常気象』鎌田浩毅・著 PHP研究所
2018.10.24
今から約2年前の「書評」(2012年のPHP新書) 記事からの紹介ですが、…。
自然災害の恐ろしさを感じる昨今、専門家は東海、東南海、南海の3箇所でM9クラスという超巨大な連動型地震が2030年代にかならず起こると予測しています。
京都大学教授の著書を編集長の柴田忠男さんがレビューし、「想定外は許されない」と警鐘を鳴らしています。
自分の身は自分で守るしかない時代に、これだけは知らないと危うい自然災害の基礎知識と最新情報を京大人気教授がわかりやすく解説。
地震と津波、火山噴火はもとより、エルニーニョ現象やゲリラ豪雨など、「異常気象」と呼ばれる現象のメカニズムと個人がとるべき対策も網羅した。
安全を約束された場所は、この国にはない。「知識は力なり」。
私たちができることは何かを知っておこう。
鎌田浩毅『次に来る自然災害 地震・噴火・異常気象』を読んだ。著者は京都大学教授、専門は火山学、地球変動学など。
2012年のPHP新書だが、その後、広島市土砂災害、御嶽山噴火、熊本地震、大分県中部地震、大阪北部地震、北海道胆振東部地震、西日本豪雨、猛暑、台風、豪雪などがすでに発生している。
だが、これから後に起こるのは、太平洋沖で発生するM8クラスの東日本大震災の「余震」、首都圏直撃の恐れのある「直下型地震」、富士山も含めた「活火山の噴火」、300年に一度の3連動地震による「西日本大震災」の4つだという。
日本列島は3.11が契機で地震が頻繁に起る「大地変動の時代」に入った。
著者が最も心配しているのは、西日本の太平洋沿岸で起きる巨大地震だ。
地震の発生には周期性があり、東海、東南海、南海の3つが同時発生するM9級の「連動型地震」という最悪のシナリオが予測されている。
東日本大震災を上回る「西日本大震災」が新たに起きる懸念がある。
正確な予測は不可能だが、著者は2040年までに連動型地震が確実に起きると考えている。
3.11以後の日本人にはもはや「想定外」は許されない。予想される4つの災害に備えよ。
認めたくない事実があるという。
約100年おきに発生する巨大地震のうち、3回に1回は超弩級である。
1361年の正平地震、1707年の宝永地震が超弩級だった。次回、日本の西半分を襲う巨大地震はこれにあたる。
なにしろ、東海、東南海、南海の3つが同時発生するという「連動型地震」という最悪のシナリオが懸念されているのだ。
最近の研究ではM9クラスの超巨大地震だという。
M(マグニチュード)は数値が1増えると、放出されるエネルギーは約30倍に増える。
エネルギーでいえば、M8.7とM9は倍ほど違う。
内閣府中央防災会議は、M9クラスの超巨大地震がくれば、約2万5,000人の犠牲者数と約81兆円もの経済被害を予想している。
3連動地震が発生したら日本経済は破綻するかもしれない。
南海トラフで起きる巨大地震の連動(名古屋沖→静岡沖→四国沖)は、東日本大震災が誘発するものでなく、まったく独立に起きる。南海トラフ上のスケジュールに則って、2030年代に必ず起きると専門家は予測している。
「西日本大震災」は避けられないと覚悟を決めた上で、できるだけ着実に準備をすべきだ。
日本周辺の4枚のプレートの移動が、海溝型の巨大地震の原因である。3連動地震は「海溝型」である。
これとは別に活断層で起きる「直下型」大地震がある。
それがどこで起きるかというと、日本のすべてと言っても過言ではない。
日本はどの場所にいても地震からは逃れられない。予測は至難の業である。
「天災は忘れたころにやってくる」は珠玉の名言だが、現実には次の大地震は忘れる前にやってくる。
「自分だけは大丈夫」というばか者が必ずいるが、そんなたわごとに根拠はない。
日本はどの場所にいても地震から逃れられない。これが国民の常識である。今日から「そなえよつねに」で生き抜こう。
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