コロナとの闘い終わらず
2020年7月14日
多くの専門家が危惧した通り、緊急事態宣言の解除後、新型コロナ感染者数は再び増加している。
すでに宣言発出当時を上回る数字なのに、政府も東京都も動こうとしない。
というより「もう緊急事態宣言は出さない」と決めてかかっているようだ。
諸外国は皆、科学的知見とデータに基づいた客観的な指標を公開し、それに基づく専門家の判断を踏まえて政策決定をしているのに、日本は都合のいい時は専門家を盾に使い、都合が悪くなると使い捨てるように専門家を排除する。
もはや「経済優先」にかじを切った政権にとって専門家会議は無用の長物、ある日突然廃止して、担当大臣が「もう誰も、ああいう緊急事態宣言とか、やりたくないですよ」などと無責任な発言を平然とする。
東京都はアラートの基準数値を廃止し、ことさらに「夜の街」を強調して感染拡大の元凶のような印象を振りまく。
政府も都も、感染症予防対策は「市民は自衛を、事業者は自前の感染防止対策を」と言うだけで「市民の自覚と自衛」に丸投げし、他方で「最近の感染者は若者が多くて重症化しないから医療崩壊しない」「病床は確保してあるから大丈夫」と暗に示唆する。
ちょっと待ってくれ。ベッドの数を超えなければ感染者が増えても構わないということか?
無症状の若者が感染を拡大しても構わないのか? 根拠のない希望的観測の拡散は、責任放棄だ。
もちろん経済も大事だ。しかし多くの専門家が言うようにコロナとの闘いは長期戦。
やるべきは、旧に復することはないと覚悟してコロナと共存できる新たな経済の姿を作ることではないのか。
今のやり方では、命も経済も守れない。(呉田)
経済気象台@朝日新聞デジタル
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