5月7日付けの朝日新聞に、「コロナ拡大、マンション管理の定期総会どう開く?」という記事が掲載されていました。
本記事の要約は、以下の通りです。
■ 新型コロナウイルスの感染が広がる中、多くの分譲マンションの管理組合が、年に1度の通常総会の時期を迎えている。総会は、新年度の予算などを決める大切な場。どんな開催方法が考えられるか。
■ 神奈川県内の団地(250戸)の管理組合の総会では、扉や窓を開けっ放しにした集会室にマスクをつけた理事ら約20人が集まり、間隔をあけて着席。出席者数や所要時間は、いずれも例年の4分の1程度。
■ 事前準備の段階で、そもそもこの時期に開催するかどうかが議論になった。総会開催にあたっては、法務省が3月、「本年中に集会を招集し、集会(総会)において必要な報告をすれば足りるものと考えられる」との見解を公表したため、延期の「お墨付き」が与えられていた。
■ しかし、その 一方で損害保険の契約など必要な手続きを決議したい、あるいは総会延期によって役員の任期が延びてしまうなどの事情から総会の開催を求める声も出た。
■ 結局、なるべく出席者を控えるよう求めるとともに、所要時間も短縮して総会を開く方向で調整に入った。また議案に関する質問があれば事前に書面で提出してもらうこととした。
■ 定期総会は、区分所有法で年に1回開催することが義務づけられている。総会の成立要件として「議決権総数の半数以上を有する組合員の出席」が必要だが、委任状や議決権行使書を提出すれば出席とみなされるため、会場に足を運ぶ必要は必ずしもない。
■ それを踏まえた専門コンサルタントからの提案は以下の3点。
(1)総会の開催通知で「感染防止のため、できるだけ少人数で開催したい」ことを伝え、委任状や議決権行使書の提出を求める。
(2)上程する議案は、管理組合が加入する損害保険や、管理会社の業務委託の契約更改に関するものや、新年度の予算案など必要最低限の項目に絞る。(住民の意見が大きく分かれる可能性がある議案の上程は避ける)
(3)新型コロナの感染拡大を踏まえ、共用部分の消毒などに使う感染予防対策費も入れておく。
■ 昨今、急激に普及しているウェブ会議システムを使って、総会を開くことは可能なかについては、法務省の見解は「現行の区分所有法では規定がなく、その可否は判然としない」とのこと。
■ 従来通り会場に集って総会を開く場合に委任状や議決権行使書を本人確認できる電磁的システム(メールなど)で提出することは可能だが、こうした仕組みを新たに導入するには、管理規約などの改正必要なため注意が必要。
■ 住民の安全を守るためにも、弾力的な組合運営が求められることから、今後電磁的システムのニーズが高まる可能性がある。
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