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在宅勤務を含むテレワークの現状

新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、在宅勤務を含むテレワークに関する関心が高まっている。

総務省の定義によると、テレワークとは「ICTを活用した時間や場所を有効に活用できる柔軟な働き方」であり、大きく、在宅勤務、サテライトオフィス勤務、モバイルワークに区分することができる。
新型コロナウイルスに対する対策として、在宅勤務日数を増やす企業も増えており、会社のオフィスに出社せず、自宅やレンタルオフィスなど、会社から離れた場所で業務を遂行するリモートワークを実施する企業も増加している。

2019年の総務省の調査によれば日本企業の在宅・遠隔勤務を含めたテレワークの導入率19.1%にとどまっている。

米国企業8割英国企業4割と比較すると日本での在宅勤務をはじめとするテレワーク導入率はまだまだ低い水準。

また、2018年の総務省の調査によると企業が挙げたテレワーク導入目的の15.1%は、今回の新型肺炎ウイルスのような非常事態における事業の継続(BCP)
新型コロナウイルスの拡大は企業にとっても従業員にとっても決して望ましい事態ではないが、図らずも企業が在宅勤務を拡大する契機となるかもしれない。働き方改革が今後さらに身近に感じられるようにするためには、今回取り上げた多くの従業員を抱える企業や少数精鋭のベンチャー企業が、それぞれの立場で企業利益と働き手のライフワークバランスを考慮し、さらには政府がそれを後押ししていくことが必要となるだろう。


「わが社にはテレワークは無理、コロナ対策のための在宅勤務でしょ」という誤解を解くためには

2020年02月27日 12時20分 更新
[ITmedia]

業種別テレワークが「適さない」と考える企業の割合(出典:ノークリサーチ)

ノークリサーチは中堅中小企業を対象としたテレワーク導入と、その他のIT活用提案の関連について分析結果を発表した。

テレワークは疫病の感染拡大防止だけでなく、事業継続の一環として提案することが重要だとしている。

 ノークリサーチによると、新型コロナウイルスの感染拡大に伴って「中堅中小企業に対してテレワーク導入を訴求すべきか」との問い合わせが増えてきているという。それに対して同社は「従業員の感染だけでなく、来店客の減少やサプライチェーンの停滞なども考慮して提案する必要がある」としている。



*テレワークを「感染症対策のための在宅勤務」にしない

 同社が中堅中小企業を対象に実施した調査によると、テレワークが自社の業態に適さないと考える割合が最も高かった業種は建設業で、その割合は18.2%。次いで、一般サービス業16.4%運輸業12.7%だった。IT関連サービス業の3.6%を除くと総じて10%弱~20%弱の範囲にあった。
 テレワークの実施が難しい業種もある。例えば小売業やサービス業での店舗勤務、製造業での工場勤務、建設業での現場勤務などだ。

ノークリサーチは、中堅中小企業ではこうした業務を担う従業員の比率がオフィス勤務と比べると高いため「企業としてテレワークを実践する」といった表現自体に違和感を覚える中堅中小企業が少なくないと分析している。
 一方で同社は、中堅中小企業に対してテレワークを提案する際には「企業としてテレワークを実践するかどうか」という画一的な視点ではなく「個々の業種や業態を踏まえたときにテレワーク関連のソリューションを効果的に適用できる場面はあるか」をユーザー企業と共に見いだす姿勢が求められてくると指摘する。
 さらに同社は新型コロナウイルスが及ぼすリスクについて、従業員の感染だけでなく、来店客の減少やサプライチェーンの停滞なども考慮する必要があるとしている。ベンダーがこうした点を考慮せずにテレワーク導入を無理に進めようとすると、中堅中小企業からは感染症拡大に便乗した売り込みと見られてしまうと注意を促している。
 ノークリサーチの調査結果も、それを裏付けている。中堅中小企業に対して「テレワークの有効性を啓蒙するコンサルティングの活用意向」と「その他のITソリューションの導入意向」を質問し、回答の関連をクロス集計したところ、感染以外のリスクを回避するために有効なITソリューションにも同時に取り組んだ方がテレワークの導入意向が高まりやすいことが分かった。
 具体的には次の通りだ。

テレワークの有効性を啓蒙するコンサルティングを活用したい」と回答した割合は、全体で4%だった。

一方で「顧客の行動や動線を把握/分析するITソリューション」の導入意向を示した企業の中では19.4%に上った。

同様に「顧客との新たな対話手段を創出するITソリューション」の導入意向を示した企業では19.4%、「同業他社との連携や協業の強化に向けたITソリューション」の導入意向を示した企業では17.2%、「異業種との連携や協業の強化に向けたITソリューション」の導入意向を示した企業では18.1%だった。
 こうした結果を受けてノークリサーチでは、「顧客の行動や動線を把握/分析するITソリューション」と「顧客との新たな対話手段を創出するITソリューション」は来店客減少への対策として、「同業他社との連携や協業の強化に向けたITソリューション」と「異業種との連携や協業の強化に向けたITソリューション」はサプライチェーン停滞への対策として有効な取り組みであると述べ、「各業種の本業に近いITソリューションを訴求した方がテレワークを社内で推進する啓蒙活動も進みやすいことを示唆している」と分析する。
 また同社は、中堅中小企業にテレワーク導入を訴求する際には「サテライトオフィス」や「モバイルワーク」といった具体的な表現を用いて、ユーザー企業と共通の認識を持つように努めることが重要だと指摘する。中堅中小企業ではテレワークを「在宅勤務」という意味合いで捉えることが多いためだ。

 テレワークには、自宅で業務を行う在宅勤務だけでなく、移動中や外出中に社外から業務を行うモバイルワークや、レンタルオフィスやシェアオフィスなどの施設を利用して業務にあたるサテライトオフィスといった形態が含まれる。

在宅勤務の場合は、従業員の自宅にセキュリティを確保する仕組みを導入する必要があるほか、適用できる従業員が限られる。それに対してモバイルワークは、営業担当者を対象にすでに実践している中堅中小企業もある


テレワークの限界? 経験者の6割が「紙書類の確認・押印のために出社」

アドビ システムズが、テレワーク勤務に関する調査を実施。

全体の6割が、紙書類などの確認・押印のために出社した経験があると答えたという。

2020年03月04日 18時00分 更新
[ITmedia]

 「テレワーク経験者の64.2%が、紙書類の確認や押印などでやむなく出社した経験がある」――アドビ システムズは3月4日、テレワークに関するこんな調査結果を発表した。

遠隔で働いていても、会社でしかできない作業が発生するため、業務上の課題になっているという。

 



*調査対象のテレワーク経験者のうち、21.4%が「出社しなければ対応できないようなタスクが発生し、出社した経験が頻繁にある」と回答。この経験が「時々ある」と答えた人は42.8%を占め、合計で約6割にやむなく出社した経験があることが分かった。

 


*テレワーク実施に伴う業務上の課題について尋ねると、「会社にある紙の書類を確認できない(39.6%)が最も多く、「(勤務場所に)プリンタやスキャナーがない」(36.2%)、「自分以外の仕事の進捗(しんちょく)が把握しづらい(35.0%)「データや情報管理にセキュリティが心配」(24.4%)、「会議が非効率になる」(24.0%)、「稟議や書類処理が遅れる」(23.3%)などが続いた。

 一方で、テレワークを体験した人のうち、34.0%が「テレワークを実施して業務の生産性がとても上がったと思う」と回答し、52.4%が「どちらかといえば上がったと思う」と答えるなど、確かな手応えを感じているようだ。
 「今後も定期的にテレワークを実施したいか」という質問には、「積極的に実施したい」(52.6%)、「どちらかというと実施したい」(40.6%)など、好意的な意見がほとんどだった。
 調査期間は2月10~17日で、政府が新型コロナウイルス対策の基本方針を決定する前に実施。都内勤務で、過去3カ月以内にテレワークを経験した男女500人を対象にインターネット調査を行った。






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