東大生がやっている3つの「ノート・メモ」テクニック
東大生はどうやって「後から自分で再現するためのノート・メモ」を取っているのでしょうか?
これには3つの特徴があります。東大生の3つの「ノート・メモ」テクニックをご紹介したいと思います!
東大生は「言い換える」ノートやメモをとっています。この「言い換え」というのは、非常に本質的な行為です。
例えば東大生の授業のノートには、「この授業で先生が言いたかったのは、要するにどういうこと?」というのが一言でまとめられていたりします。また、本や論文の余白にも、段落や章ごとに「要するにこの段落・章では何が言いたかったのか?」がメモされていて、そのメモを見ていけばその文章の内容が大体理解できてしまう……そういう言葉を自分で作り上げているのです。
これは、「線を引く」という行為とは似て非なるものだと思います。
「一言でまとめる」と「線を引く」というのは、「重要な部分を見つけ、確認する」という意味では同質のものですが、「線を引く」というのはあくまで「相手の説明」に色を付けるという行為でしかありません。対して「一言でまとめる」というのは「自分の頭で考えて」まとめなおすという行為です。
みなさんも経験があるかもしれませんが、人に何かを説明するとき、借り物の言葉や誰かの説明を完全にコピーして話すというのは非常に困難です。なぜならそれはしょせん「誰かの言葉」であって「自分の言葉」ではないからです。
自分の中でかみ砕けていないことは、絶対にアウトプットできません。必要なのは、自分の頭でまとめ直し、納得すること。これが授業の「再現性」を高めてくれるのです。
ちなみに東京大学という大学は「言い換え」の能力を非常に重視している大学です。日本史や世界史、生物や物理などの科目では、長い文章や資料が与えられ、「その文章や資料はどういうことを言っているのですか? 短くまとめ直しなさい」という問題が多数出題されています。問題によっては、背景となる知識がほとんどなくてもその文章がきちんと読解できさえすれば点数がとれる問題も出ているくらいです。
・文章の横に「一言でまとめるとどうなるか?」を自分の言葉でメモしてみる
これが1つ目のテクニック「言い換え」です。
「原因と結果」までしっかりまとめよう
2つ目は「ロジックを残す」というものです。
東大生は、「どうしてそうなるのか?」「なぜそうなったのか?」を整理してノートを書きます。因果関係を明示し、どういうロジックでそうなるのかをしっかり記述するのです。
例えば普通、先生が「1877年にイギリス女王がインド帝国皇帝に就任した」と言ったら、そのままそれをノートに書いて、「じゃあ、1877年にイギリス女王がインド帝国皇帝に就任って覚えないと!」と考えると思います。しかし東大生は、「なぜ1877年にその出来事が起こったのか?」「その出来事の結果、何が起こったのか?」という因果関係を調べて、その情報も合わせてメモします。情報を「そういうものだ」と受け入れてノートを書くのではなく、「どうしてそれが起こったのか?」「その結果どうなったのか?」というロジックをノートにまとめる癖がついているのです。ここにも、「再現」という要素が見られると思います。さまざまな知識を吸収したいとき、単独で暗記するよりも複数の情報をひとかたまりで覚えたほうがいいですよね?
例えば先ほどの「イギリス女王のインド帝国皇帝就任」も、「イギリスの帝国主義」という文脈で説明がつきます。 1873年に不況に陥ったイギリスが、「植民地をもっと獲得しないとやってけない」と考えて1874年に第2次ディズレーリ保守党内閣が成立し、1875年にはスエズ運河の買収、1876年にヴィクトリア女王が「インド女帝」に推戴され、1877年に正式にインド帝国皇帝に就任した。
このロジックが見えていれば、他の年号も一緒になって記憶に定着しやすいです。また、このほうが人に説明しやすく、一度忘れても「そういえばスエズ運河の買収の翌々年だったな」と思い出せます。「ロジックをノートやメモに書き残す」というのは、非常に有効な行為なのです。
東大生は、「ロジックが見えるノート・メモ」をとります。
東大生のノートやメモの中で一番出現頻度が高い記号として「→」があります。何かと何かの情報を→で結び、もし→で結べない情報があったらその間に入る情報を補完するのです。
先ほどの例を使うならば、次のような感じです。
→1874年 第2次ディズレーリ保守党内閣が成立
→1875年 スエズ運河の買収を行う
→1876年 ヴィクトリア女王がインド帝国皇帝に推戴
→1877年 ヴィクトリア女王がインド帝国皇帝に正式に就任
また、本のメモでも同じことが言えます。つながりのある情報同士を「→」でつなげるのです。たったそれだけの記号で、格段に情報が頭に入りやすくなるのです。
・「→」で結べない情報が出てきたら、間を補完する情報がないか調べる
これが、2つ目のテクニック、「ロジックを残す」です。
なぜ東大生はノートに「無駄なこと」を書くのか
3つ目は「とっかかりをつくる」というものです。
僕は東大生のノートを300冊以上見てきたのですが、かなり意外なことに、東大生のノートには、一見ムダと思えるようなことも書いてあるんです。例えば、教授が軽く例として出した小話や、「これはテストで出ないと思うんだけど……」と前置きをしたうえで、先生が話したことをより深く調べた情報をメモしている人が、意外にも多かったのです。「どうしてこういうことをメモしているのか?」と聞いてみると、ある1人の東大生は「これは自分が面白いと感じたことで、これを覚えておけばその授業を再現できるから」と語っていました。
自分の感情が動いたものや、自分の中で気になったことは、「自分」という要素のある情報です。
先ほど僕は「線を引く」のと「一言でまとめる」というのは「自分の頭で考えているかどうか」という点が異なるとお話ししました。相手からの借り物の情報ではなく、自分の知識として活用できなければ、アウトプットすることはできない、と。
ノートに「自分の感情」の足跡を残そう
この「自分が感じたことのメモ」には、まさにその要素があります。つまり、情報を自分のものにするとっかかりが、このメモなのです。こういう情報は一見すると意味のないものに見えますが、自分の感情や自分の意思が入った情報ほど脳に残りやすいというのは、脳科学的にも証明されているそうです。みなさんも、 先生が話していたエピソードが面白くてその授業の内容を覚えている……ということもあるのではないでしょうか? それは、自分の感情をとっかかりにして情報を自分の頭の中に残すことができたということです。
ノートもメモも、決して人のものではなく、自分のものです。自分の感情を無視して、いいノートを作ることはできないのです。 だからこそ僕がオススメしているのは、「自分が面白いと思うことをメモする」ことです。エピソードでも、例え話でも、何でもいいから、自分が面白いと思うことを書き残すのです。
もしそういうものがなかったときは、自分で情報をより深く調べてみる。わからなかったことをより深く理解するために他の本で調べてみる。それが難しければ、偉人のエピソードでも、その公式を作った人の話でも、何でもいいから調べてみるのです。 そして、その中で自分が感じたことをメモしてみる。そういう癖をつけるだけで、それをとっかかりにしてノートやメモを再現できるようになるのです。
・面白いと思うことがなければ、疑問に思ったことを調べて深掘りしてみる
・エピソードなども調べてメモしてみる
これが3つ目のテクニック、「とっかかりをつくる」です。
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