インドを軽視する日本人が知らない大きな波
最先端のITトレンドはこの国から生まれる
武鑓 行雄 :
元ソニー・インディア・ソフトウェア・センター社長
2018年08月28日
人口13億人の巨大マーケットであるインド市場。
インドは新興国の中でも経済がとくに好調で、今後も人口増加と経済成長が見込まれる。
意外に思うかもしれないが、ここ数年、世界のトップ企業は軒並みインドにグローバル戦略拠点や研究開発拠点を置き、社内のトップ人材や資金といったリソースを徹底的に投入している。拙著『インド・シフト 世界のトップ企業はなぜ、「バンガロール」に拠点を置くのか?』でも詳しく解説しているが、こうした「インド・シフト」によって、世界のトップ企業はインドの高度IT人材とともに、インドから世界的イノベーションを生み出していっている。しかもその勢いは増すばかりだ。
※ “インドのシリコンバレー"と言われる南部の都市「バンガロール」には、マイクロソフト、グーグル、アマゾン、オラクル、SAP、IBM、アクセンチュア、インテル、クアルコム、エヌビディア、アーム、ノキア、ファーウェイ、サムスン、ウォルマート、3M、ゴールドマン・サックス……多くの世界のトップ企業が開発拠点を設置している。顔ぶれも豪華だが、驚くのは、その多くが本国以外では最大規模の開発拠点を構えていることだ。数千人のスタッフがいるのは当たり前である。ところが、多くの日本のトップ企業は、ITの世界で言えばシリコンバレーばかりを意識している。しかし、そのシリコンバレーの企業はバンガロールやインドのほうを向いているのである。
このまま、日本企業だけが流れに乗り遅れてしまえば、挽回不可能なほどの差がついてしまいかねない。
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