こんな簡単なことで売上3倍? 折りたたみ傘メーカーを救った「聞く力」の偉大さ
「聞く力」は多くの人が思っているよりはるかに偉大だ。
そしてこの力を持つ人はほとんどいない。
折りたたみ傘の売上を3倍に引き上げた事例をもとに解説。
今、多くの人の心は満たされることなく、毎日不安を抱きながら過ごしいる。なぜなのだろうか?
本書で稲盛はこう答えている。
「人間の生き方や考え方について真剣に考えることなく、また足ることも、人を思いやることも忘れ、ただ利己的に生きているからではないか」。
古本屋で、一冊の本を手に取った。『稲盛和夫の哲学』という堅いタイトル。
氏の真っ直ぐで無私を旨とする生き方に共感を持っていた。
稲盛氏は京セラやDDI(第二電電)を起こした実業家であり、後に日本航空の再建に尽力し、成功させた。 2010年、氏は請われて事実上倒産した日本航空会長に就任する。無報酬で引き受けた。
全従業員の3分の1にあたる1万6,000人のリストラを断行し、徹底した無駄を排除する施策と意識改革によって、わずか3年足らずで日本航空を再上場させた。
仕事は「ど」がつくくらい「ど真剣」に打ち込むべき。
一度きりの人生を「ど真剣」に生き抜く真摯な姿勢があれば、どんな仕事も好きになる。
(稲盛の言葉)
「人は何のために、生きるのか」。これが「稲盛和夫の哲学」のサブタイトルになっている。
仏教の教えを基本とし、宇宙・意識・魂など氏が考える基本的な考えが述べられる。
中でわたしが興味を持ったのは「学校教育」について語った章であった。
「自由な個性を育てましょう」という方針です。この方針にしたがって、子供のころから「自主性を尊重しよう」 「教え込むのではなく、自発的にやらせましょう」という教育をしています。
しかし、それでは人間の心をつくることはできません。
(略)
何も知らない子供たちに自発性とか自主性というだけで、肝心の「やってよいこと」「悪いこと」、 つまり戒律を教えていません。 (『稲盛和夫の哲学』)
氏は戦後、疑義をはさまずに続けられている自由主義の教育に疑問を呈する。
そこに「正しい天の教え」がないという。
だからこそ教育を通じて、「人間としてやってよいことと悪いこと」をきちんと子供のときに
教えなければならないのです。
(同上)
では、われわれは人間性を磨くために何を心がければよいのでしょうか。
第一に、人のために尽くしたい、世のために尽くしたいと思うように努める――布施することです。
第二に、自分を戒めてエゴを抑えていく――持戒すること。
第三に、諸行無常、波乱万丈の人生に耐えていく――忍辱することです。
第四に、精一杯働く。――精進することです。
これらのことを通じて人格を高めていくようにさせることが肝要だと思います。
(同上)
稲盛氏は、尊敬する西郷隆盛の言葉「敬天愛人」を京セラの社是とした。
逆境に打ち勝って正しく生きるフィロソフィーをそこに見つけ出した。
モラルを喪失した現政権の政治家たちに読んでほしい本である。
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